会社とともに社員が成長できる目標設定制度

一般的に、半期に一度、社員の目標設定を行っている企業は少なくありません。その際、本社から掲げられた目標数値が各支店や営業所、事業部に割り振られ、それらを社員がどう達成していくかを目標として決めるケースが多いのではないでしょうか。イーバリューの目標設定は、目標そのものの考え方から、設定方法、達成のためのサポート等、一般的なものとは違った観点で制度化しています。

本記事では、弊社の目標設定制度「ビジョンミーティング」を通して、会社の成長と合わせて社員が成長できる仕組みをご紹介します。

ビジョンミーティングとは

イーバリューでは、一般的に人事考課で行う半期に一度の目標設定を「ビジョンミーティング」と呼んでいます。通常、上司と面談しながら半期目標を決めていくことが多いですが、私たちは“ミーティング”という名称にあるように、1人の目標設定に対して経年関係なく複数名で行います。自薦他薦で集まった最大5名のメンバーに自分の目標を発表し、その掲げた目標を踏まえたうえで、参加者から360度フィードバック(※)をもらいます。そして、もらったフィードバックを加味し、目標を再設定し、社内SNSで全員が共有します。

※360度フィードバック:上司や同僚、部下など様々な立場の人物が、評価対象者を多角的に評価し、フィードバックをします。

時間をかける割に形式的な目標設定に課題

数年前までは私たちも、グループリーダーと本人による面談形式で目標設定をしていました。さらに、この面談とは別で10名程が集まり、360度フィードバックを行う場も設けていました。しかし、この方法では単純に時間がかかることに加え、面談形式になると、どうしてもグループリーダーの意向が強くなってしまう傾向にありました。そのため、「こういった目標を立てなくては」「この目標にしておけば良い」といった形式的なものになり、しかも半年後には達成できずに終わるということが散見されました。

イーバリューは社会環境や市場ニーズの変化に臨機応変に対応するため、半年のうちに業務内容や社内の仕組みが変わったりします。そんな企業風土にあった、しかも負荷がかかりすぎない制度をつくることはできないか模索していくなかで、「ビジョンミーティング」という方法が確立されていきました。

世間一般とは違う、イーバリューの目標設定の考え方

私たちの目標設定は、売上や営業件数といった数字目標だけではありません。まずは、5年後、10年後のビジョンから考えます。自分が将来、どうなっていたいか「未来」から考え、それを実現するためにこの半期は何に取り組むか、逆算していきます。どんなビジョンや目標にするか自由度は高いですが、何でもOKというわけではありません。会社が掲げるビジョンや会社から期待されていることと、自身の人生のビジョンをすり合わせる必要があります。

”イーバリュー”という会社で働く以上、ここに不一致があると自己実現はできないためです。そこを重ね合わせていきながら、形式的なものではなく、本当に自分が達成したい目標やビジョンであることが重要になります。それを確認する時に、私たちはよく「本当にこのビジョン・目標でワクワクする?」と聞きます。自分自身がワクワクできる目標かどうかが一つの基準となっています。

 

 

<ビジョンの例>

ビジョン:最強の組織をつくる

半期目標:可能性とやる気を引き出す“語らず’’のスタイルを確立する。

 

ビジョン:キラキラした社会人になる!~忙しそうだけど楽しそう~

半期目標:HPや会社案内・サービス資料をバージョンアップさせていく。
朝礼やミーティングで自分の意見の他に、違和感・論点のズレ・疑問なども発信していく。

 

ビジョン:新しい風を吹かせていく。影響を与えて、組織を変えていく。

半期目標:プログラミングで得た知識で、社内の自動化をさらに加速させる。
圧倒的な自己研鑽をする。(自分だけでなく、取り組むメンバーが少しでも増えていく)

成長につなげるための360度フィードバック

少数精鋭で中身を濃く

私たちは目標設定とあわせて、360度フィードバックを重要なものとして位置付けています。そのため、単に人数を集めるのではなく、経年関係なく、自分の成長のために必要なフィードバックを言ってくれる人を選び、また、相手の成長を思ってフィードバックしたい人が立候補して参加する仕組みを採用しています。

そうすることで、内容の濃いフィードバックが可能になります。今のような少数精鋭方式ではなかった時は、人数が多いため時間がかかっていました。また、時間をかけ、お互いの負担になっているにも関らず、実のあるフィードバックができているか疑問が浮かぶ状態でした。本当に必要なメンバーに絞って行うことで、相手の成長につなげる有意義な時間にすることが可能になりました。

厳しいフィードバックも受けとめる

具体的に、360度フィードバックでは、相手に感謝することや成長している点に加え、さらなる改善点を伝えます。普段からお互いに伝えあうことを大事にしてはいますが、目標設定の場だからこそ、面と向かって改めて伝えるということも行います。

さらなる改善点では、本人にとっては厳しいフィードバックになることも多々あります。「●●さんの立場であれば、このレベルの指摘をされるのではなく、もっとこうあるべきだと思います」「あり方や普段の言動が、イーバリューのこの考え方に合っていないです」等、自分の認識と周りとのギャップに、受け取るだけでも大変なものもあります。

ただ、この360度フィードバックは、相手に自分が思ったことを全て伝えるものではありません。”相手の成長を思って伝えるべきことを伝える”、ということが大前提です。伝えられたその時は受け取り難いフィードバックであっても、相手が自分の成長を本気で思って伝えているものであれば、たとえ理解し、腹落ちさせるのに時間がかかるものでも、最終的には受けとめることができます。

目標達成するための仕組みづくり

目標設定した後は、それで終わりではありません。「ビジョンミーティング」では、3ヶ月に一度、目標の達成状況の振り返りを行います。これも限られたメンバーで、ミーティング形式で行います。立てた目標の進捗はどうか、軌道修正することはないか等の確認を行い、それを踏まえて参加者からフィードバックをもらいます。

この進捗確認を行うメリットと効果は大きく3つあります。

1:目標達成するための行動を取り続けられる

以前はせっかく決めた目標にも関らず、半年後に「どんな目標だったっけ?」「当初と違う業務担当になったのに目標はそのまま」といった事態が発生していました。3ヶ月に一度、確認の機会を設けることで、目標達成への意識を高く保つことが出来るようになりました。また、業務内容の変化や、実際にやってみてどうだったかの視点で見直すことで、より現実的で、達成するための効果的な行動を取れるようになります。

 

2:個人やプロジェクトチームの業務内容と量の調整や軌道修正ができる

進捗確認は、目標と合わせて業務の内容や量を軌道修正する機会にもなります。目標達成を阻害している要因があれば、それが何かをメンバーで話し合います。また、個人だけではなく、プロジェクトチームとして今、取り組んでいる施策等の優先度が適切かといった話へ発展することもしばしばです。日々の業務に追われていると、こういった話はなかなかできません。「ビジョンミーティング」の場が、客観的に見直しができる機会になります。

 

3:フィードバックをしやすくなる

フィードバックでは、相手の良い部分と改善点を伝えます。改善点は相手にとって耳が痛い事象であったりするため、伝える側も言いづらいと感じる部分がありました。しかし、3ヶ月に一度、こういった場を設けることで、日頃、相手に思うことや気づいたことを伝えやすくなります。半期に一度、心の中に留めたことを伝えるよりも、ずっと気は楽です。また、最近のエピソードであれば、伝えられた側も「あの時のことか」とイメージができ、フィードバックも受取りやすくなり、改善行動にもつながります。

自社らしく成長できる制度をつくる

掲げた目標を達成できるかどうかは、「自立性」「自主性」がカギになります。与えられた目標ではなく、自分が考え、目指したいと思える目標となっているかどうかだと私たちは考えています。それが、会社のビジョンや成長とリンクしていくことで、自社らしく成長し、自身の価値を実感できるようになります。

「ビジョンミーティング」にはこの考えを軸にして、お互いの目標を経年や立場関係なく、見える状態にすることで、相手の成長を考えた関わりができるような工夫をしています。また、時間や負担をかけすぎない仕組みにすることで、本来業務に支障をきたすことなく継続的な運用を可能にしています。

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