健康マイレージ制度とは、健康経営(※)の一環として、イーバリューが取り組んでいる独自の活動です。2年間にわたるこの活動を通して、社員全員の健康活動への意識改革をすることに成功しました。「制度」としての役目を終え、現在は希望するメンバーのみでサークル活動のような形で行っています。今回は、社員の意識改革に繋げた運用方法などをご紹介します。
健康マイレージ制度とは?
健康マイレージ制度では、社員全員が4つのチームに分かれて、食事、運動などの健康的な取り組みをすべてポイント化し、合計値で競い合います。社内SNSを活用して、各チームで食事の内容や運動のエビデンスを画像で投稿し、メンバー同士で意識を高め合ったりもしています。また、この制度は社員の健康的な食事や運動を促すだけではなく、社内のコミュニケーションの活性化にも繋がっています。
導入のきっかけは、健康への意識の低さ
私たちがこの制度を導入した狙いは、社員全員が自分に合った方法で健康活動をするためです。イーバリューでは一人暮らしをしている社員も多く、食事はコンビニ弁当やラーメンなどの簡単に食べられるもので済まし、運動もほとんどしていない状況でした。若い社員が多い為、今はこのような食生活をしていても大きな問題はありませんが、この状況のまま20年後、健康でいられるかというとそうではありません。
健康であることが仕事のパフォーマンスを上げ、お客様への良いサービスに繋がると考えています。長い人生を豊かにするためにも「健康」であることが大切という考えから、まずはスポーツジムでグループレッスンによるエクササイズをするという取り組みを始めました。初めは社員全員が参加していたのですが、グループレッスンは初心者向けのもので、運動経験がある社員からすると物足りない部分が多く、参加人数もだんだんと減っていきました。
そのような状況の中で社員全員が取り組みやすい方法はないかと検討され、運動をする人も運動が苦手な人でも出来るものとして、健康マイレージ制度が始まりました。
導入したメリット
導入したことによるメリットは2つあります。
1つ目は、社員一人ひとりの健康を意識した食事や運動の習慣化です。導入したきっかけでもあった一人暮らしの男性社員が、コンビニ弁当から少しずつ自炊を始めたり、自分に合った運動を取り入れる機会になりました。またチーム制にしたことにより、特定の社員だけではなく、一人ひとりが健康活動を意識し、生活に取り入れることに繋がりました。チームで競い合っていることもあり、勝つためには個人でどれだけポイントを取れるかも重要になってきます。それに伴い、チームに対する貢献心や周りのメンバーからの影響を受けることで、「自分も取り組もう」という気持ちが芽生える社員もいました。
2つ目は社内のコミュニケーションの活発化です。社内SNSで投稿される各個人の食事や運動に対してコメントをしたり、他のチームの様子を聞いたりなど、お昼の休憩時間や業務後の時間で、健康マイレージ制度の話題になることが増えました。なお、チームは、経年や役職、プロジェクトなどが関係ないメンバーで構成されています。そのため、普段業務では関わりが少なく、あまり話す機会のないメンバーでも、同じチームになったことがきっかけとなり、コミュニケーションを取る場面も増えました。
社員全員の健康活動を活性化させるために
健康マイレージ制度は、自社に合った制度にするために試行錯誤を繰り返しながら進めました。社員の健康活動を活性化するためのポイントをご紹介します。
①自分の出来ることでチームに貢献
年齢、性別、運動経験が異なる社員が、各々のペースで健康活動を継続できるようなポイント制を採用しています。誰でもポイントが獲得できるように、ポイントが取れる範囲を広く設定しています。例えば、食事でポイントが取れたり、ストレッチやヨガなども含めた10分の運動でポイントが取れたり、女性はランニングポイントが1.5倍など、たとえ運動が苦手であっても少し意識をすることで取れるような工夫をしています。
②社内SNSで活動記録をアップ
日頃の活動記録は、食事は写真、運動は動画やランニング等の距離を測るアプリを使ってエビデンスを取り、それらを社内SNSで投稿しています。日常業務でも使用しているSNSなので、習慣化しやすく投稿へのハードルも低いため気軽に取り組むことができます。メンバー同士でコメントを送り合い、お互いを鼓舞しているチームもあります。
普段どのような投稿をしているのかご紹介します。
▼普段の投稿例
このように活動の様子を投稿することで、社内のコミュニケーションのきっかけにもなっています。
③イベント企画でマンネリ化防止
天候や体調によって、自分の掲げている目標ポイントをショートしてしまうことや、モチベーションによって、なかなか取り組めなかったりすることもあります。そのような状況でも意欲的に取り組めるきっかけになるように、制度の運営を任されている新人が中心となってイベントを企画し、不定期で開催しています。例えば「旬な野菜を食べよう週間」や「ランニングイベント」「大掃除で体を動かそう!」など、いつもよりも多くのポイントを取れる機会を作っています。
また各チームで、新しいメンバーが入ったタイミングなどに決起集会を開催しています。今年の目標について話したり、メンバー同士でのコミュニケーションを取ることでチームの団結力が生まれています。
社員へ習慣化させるための運営ルール
次に実際にどのように運営しているのか、取り組み方をご紹介します。
【運営ルール】
●ポイント制
食事、運動はすべてポイント制になっています。代表的なものをご紹介します。
・食事
自炊→3pt
自分以外の人に作ってもらった手作りの料理→2pt
※野菜が含まれている必要あり
・運動
ランニング→1kmにつき1pt
※女性は1.5倍
ウォーキング→1kmにつき1pt
筋トレ→10分につき2pt
・その他ポイント
健康診断改善
子供との鬼ごっこ など、ユニークなものもあります。
●1位のチームは表彰される
1週間ごとに各チームのポイントを集計し、朝礼で発表しています。1年間でチームのポイント合計値が1番高いチームが勝利となります。勝利チームは、年に1回行われる表彰式で表彰されます。また優勝特典としてチームメンバーを主役とした動画を作成。本人たちが登場する動画なので、発表の際はとても盛り上がるのはさることながら、しっかりと取材や撮影をしたドキュメンタリー風の本格的な動画により、活動への意欲が高まっている様子も伺えます。
実際に取り組む社員の声
健康マイレージ制度をやってみて実際どうだったのか、社員の声をご紹介します。
健康マイレージ制度でダイエットに成功、健康診断の結果も改善!
入社6年目 男性社員
健康マイレージ制度が始まって、今までの習慣を見直すきっかけになりました。今までの食事を改善し、よく飲んでいたジュースを控えました。筋トレにも積極的に取り組みました。ダイエットを継続してできたのは、自炊をしたり、運動をすることでマイレージのポイントを取ることに繋がっていたからだと思います。頑張ればその分ポイントをたくさん取ることもできるので、続けられた一つの要因だったと思います。そのおかげで20kg減量に成功し、健康診断も毎年C判定からA判定に向上することが出来ました。
毎日の食事に気を遣うようになり、通勤も自転車から徒歩に
入社2年目 女性社員
学生時代は健康的な食事とは程遠い生活をしていましたが、健康マイレージ制度を通して3食自炊をするようになったり、自炊が出来ない日でも野菜がとれるものを選んだりするようになりました。また運動も全くしてこなかったのですが、チームに貢献するためにランニングを始めたり、どこに行くのも自転車だったところを徒歩に変えて意識的に歩くようになりました。最初は慣れないこともありましたが、継続することで意識せずとも出来るようになり、以前よりは健康的な生活を送れているんじゃないかなと思います。
チームで優勝するために、運動経験がない自分が1ヶ月で100km走破
入社4年目 男性社員
チームは今まで運動経験のないメンバーが多かったのですが、優勝を目指して一人ひとりが運動することで取れる高い目標数値を掲げて取り組みました。私自身も今まで運動を全くしていなかったのですが、ランニングをするようになり、やってみると楽しくなってきて月間100kmを走った月もありました。忙しい中でも隙間時間で運動をしたり、メンバーが頑張っているのを見てお互いに良い影響を与えあいながら取り組めたのが良かったなと思います。チームが一丸となって目標に向かって走り切り、優勝できたときは本当に嬉しかったです。
まとめ
健康経営の一環として導入した「健康マイレージ制度」。年齢、性別、運動経験などが違う社員全員の健康活動が習慣化されるために、誰でも取り組みやすいように工夫しました。健康を意識した生活の土台作りはもちろん、社内のコミュニケーションの活発化や会社の価値観の理解にも繋がりました。
自分たちが豊かな仕事人生を送り、お客様へより良いサービスを提供していくうえで、社員が「健康」であることは必要不可欠です。そのため、自社に合った健康への取り組み方を模索し、都度改善していくことが重要です。現在はサークル活動のような形で行っていますが、今後も社員全員の健康活動を継続させるために、自社に合った方法でアップデートしていきます。
(※)健康経営についてはこちらの記事でも紹介しておりますので、ご覧ください。