私たちイーバリューの理念の中には“真っ当”という言葉が掲げられています。これは私たちの大事な信念となっており、社内でも「真っ当」という言葉が飛び交うシーンも珍しくありません。なぜ、私たちは真っ当を掲げているのか。そこに至るにはどんな経緯があったのか。本記事では、代表である水野にインタビューをし、その背景と意味に迫ります。
1:歴史に裏付けされた信念。
“真っ当”という言葉には、私たちの歴史が大きく関わっています。私たちイーバリューのルーツは、昭和30年に創業した水野商店。私の両親が立ち上げた会社で、当時は金属スクラップの回収業を行っていました。業界としてはいわゆる3Kと言われており、同時に業界にはお客様に対して横柄な態度を取ったり、平気で何時間も待たせるなど、ビジネスの常識では考えられない話も多く耳にしていました。その中で、水野商店はお客様を大事にする、ということを強みにしていたんです。
当時のエピソードとして、こんな話があります。リヤカーで少量の鉄スクラップを持ち込んだ年配の方に対し、暑いのに大変だとタオルを差し出し、快く対応をした。実はその方は地元の鉄骨工事会社の方だったそうで、良い対応をしてくれたと、その後、その会社から出る鉄スクラップ全般を任せてもらえるようになりました。
私が水野商店を継いでからも、そのスタンスは大切に、むしろより重要に捉えていました。身なりを整え、キレイな車両に乗って訪問する、少ない回収でも丁寧に対応する、きちんと約束を守る、など。ビジネスとして考えればとても普通で当たり前のことだと思うのですが、業界の状況もあり、こうした取り組みが私たちの強みになっていきました。お客様と真っ当に向き合って、「ここまでやってもらいたい」という想いに応えることが、安心や信頼につながっていったのです。
2:真っ当さが、事業拡大のきっかけをつくってきた。
そうやってお客様と向き合い、応えていく中で、新しいニーズが見えてきたんです。当時は産業廃棄物の不法投棄事件が社会問題になっていて、廃棄物処理法の強化によって市場が混乱していました。さらにその先には、法規制により知らず知らずのうちに環境リスクに晒されている企業の存在も見えてきました。そうしたお客様の声に応えていくうちに、当初の金属スクラップ回収業から、産業廃棄物処理業、さらには環境コンサルティング事業と、どんどん事業が発展していきました。もちろん、社会の時代背景も大きく関係しています。ただ、目の前のお客様の期待に応えることで、その先にある社会のニーズに応えてきた、とも言えます。お客様が本当に求めているものは何なのか。それを真っ当に追い求め続けたことが、事業の拡大につながったと考えています。
またこうした流れは、今なお同じことが起きています。Prime Collegeという動画教育サービスは、「こんなことができないか?」というお客様の依頼から始まったサービスです。その前には、環境というフィールドで真摯に期待に応えてきたという経緯があります。その流れから「これはイーバリューさんに頼むことではないかもしれないけど…」と新しい相談をいただいたのです。真っ当に向き合い、期待を超えていく。その繰り返しで、私たちは進化し続けてきたのです。
3:過去と未来の中で、見えてきたもの。
ただ、これまでは“真っ当”という言葉は明文化されていませんでした。私たちがこの言葉にたどり着いたのは、新たにコーポレートアイデンティティを見つめ直したとき。2019年から2020年、3ヶ月にわたって、イーバリューとして何をやっていくべきなのか、あらためて私たちの使命や目指す未来を考えました。その中で、自分たちの大事にしてきた価値観・信念を表す言葉として挙がったのが、“真っ当”だったのです。
議論に参加していたメンバーは満場一致、さらにこれを社外展開することを考えても、しっくりとくる。何よりも、自分たちがこれまでやってきたこと、これからやっていくこと。過去から現在、そして未来を考えたときに、すべてに共通する、私たちの基盤となる言葉だと感じたのです。
4:真っ当とは、王道であること。
一言で“真っ当”と言っても、含まれる意味は一つではなく、社員や置かれている状況・心境によって捉え方もさまざまだと思います。私自身、真っ当とは“王道であること”と考えています。
人は課題に直面したとき、目先の解決のために、変に小細工をしたり、奇策に走ってしまうことがあります。ただ、長期的な目線や、自身のありたい姿を考えると、正攻法で挑んでいく方がいい。ズルや楽をして勝とうとするのではなく、本当に大切なことは何かを考えながら愚直に取り組んでいくことが、“真っ当”の指す意味だと考えています。
私たちは、ミッションとして「社会の期待を、ビジネスの基準に。」を掲げています。これまで、目の前のお客様の期待に応えてきましたが、これからはさらにその先にある、社会の期待に応えるフェーズ。より多くの、そして大きな期待に応えるべく、さらなる進化をしていかなければなりません。
しかし事業が変化し、その内容や規模が変わっても、この“真っ当”という信念は変わりません。大きなビジョンである「誇りで、社会を、満たす。」に向かって、これからも真っ当に走り続けます。