イーバリューでは、専門紙への寄稿や、自社サイトのコラム掲載、社員教育用の動画の配信などを通して、様々な環境や廃棄物に関する情報を発信しています。1100社を超えるクライアントへコンサルティングを提供する中で、様々な実績とノウハウを蓄積してきた私たちだからこその情報発信について紹介します。
実は常にリスクと隣り合わせの環境部門
クライアントである製造業の環境部門では、守るべき法律の理解や知識が難しいことが大きな課題です。廃棄物処理などで、気づかないうちに法律違反を起こしてしまうこともあり、億単位の罰金を課せられるなど、大きなリスクと隣り合わせにあります。
また、一般的に、製造業のメインは基本的に“製造”に関することであり、様々な経営資源はモノづくりを優先して投資されます。“環境”に関しては、リソースをかけづらかったり、外部のサービスについても質の高さが不十分だったりするなど、様々な課題があります。
廃棄物管理担当者の悩み
そのような状況の中で廃棄物管理を任された時、担当者には事前知識がないことがほとんどです。環境の中でも、特に廃棄物処理やリサイクルという専門的な知識のため、学生時代やそれまでの職歴の中で、その分野を学んだり、経験したりしているということはほとんどありません。
また、廃棄物管理では、廃棄物処理法や土壌汚染対策法、水質汚濁防止法などが対象法令になります。これらの法令は、世間的に注目されやすい働き方改革関連法や個人情報保護法などに比べて、分かりやすく解説された情報が提供されていません。もちろん、環境省や各都道府県から情報提供はされていますが、専門用語や堅い表現も多いため、理解が難しかったり、時間がかかったりします。
担当者には法律を正しく理解することに加えて、それを自社の現場管理に落とし込む必要があります。例えば、規制対象の範囲が法律の改正によって広がったとします。具体的に自社では、何が規制の対象に加わり、何は対象ではないのかを判断しなければなりません。法律の条文をそのまま当てはめればよい場合もあれば、該当するのかどうかが、行政から提供されている情報だけでは、解釈が難しい場合があります。
そうなると、過去の事例を参考にしたり、行政や各自治体に問い合わせをしたりする必要がありますが、必要な専門知識のレベルがさらに上がり、適切な解釈や対応ができないことも多くあります。
“分かりやすい”“徹底した現場目線”クライアントに寄り添った情報発信
このような状況の中では、専門性を担保しつつも、分かりやすく、さらに現場目線の情報提供が求められていました。そのため、私たちは自社の知見やノウハウを活かして、担当者の方に寄り添った情報発信をしています。
情報発信の方法は様々で、現在は以下のような方法でお届けしています。
・セミナーの開催
・専門誌への寄稿
・自社サイトでのコラム掲載
・メールマガジンの配信
・社員教育動画の配信
・書籍の販売
・その他、コンサルティングサービスの提供
ポイントは大きく「分かりやすさ」と「徹底的な現場目線」の二つです。これらについて詳しく解説していきます。
分かりやすさ
難解な法律を分かりやすく理解してもらうことを意識しています。具体的には、文章や専門用語をかみ砕いて表現したり、表で簡潔に整理された状態にしたりします。また、図や写真を使って、よりイメージしやすい内容にしています。
例えば、初級者が間違えやすい廃棄物の区分については、以下のように図を用いて解説しています。
▲自社サービスPrime College「実際にあった事件事例」より
言葉の定義について、以下のように図で解説することも多くあります。
▲自社コラム「資源循環は3Rからサーキュラー・エコノミーへ?」より
さらに、法律や法令の原文では、レアケースに対しての注意事項や、別の業種や立場に関する情報も盛り込まれており、それが理解を難しくする原因の一つです。そのため、情報を取捨選択して、特に重要な点やクライアントに必要な情報に絞って伝えることも分かりやすくするポイントです。
徹底的な現場目線
「結局自社では何をすればいいのか?」「どこからが法律違反に該当するのか?」という点が分かることにも重きを置いています。過去に実際にあった違反事例について、何が原因だったのか?どういう場合に違反となるのか?を解説したり、よくある事例をケーススタディ形式で紹介したりしています。
▲自社サービスPrime College「実際にあった事件事例」より
また、以下のように条文の中にある「可能な限り」などの曖昧な表現を具体的に解説する場合もあります。
▲自社コラム「シリーズ『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律』の廃棄物管理への影響 第3回「排出・回収・リサイクル段階」の取り組み」より
しかしながら、どうしても不特定多数への情報発信でカバーできない、その企業ならではの疑問やケースについても出てきます。そういったものの受け皿として、廃棄物処理法を中心とした法律の解釈をサポートする『環境ナレッジ・デスク』という相談システムや、自社の管理状況に法律違反がないかを調査する監査サービス、個別の研修企画などを設け、サポートしています。
お客様にとって相談しやすい存在に
これらのコラムやセミナーなどの情報については、毎月メールマガジンでお届けしています。法令情報だけでなく社員の日常を記載するなど、多忙な業務の中でお客様がホッと一息ついていただけるような親しみやすさを心がけています。
一歩間違えれば、行政指導や警察の立ち入りにも発展するデリケートな課題。何かあったときにすぐにイーバリューを思い出し、ご相談していただけるように、クライアントによりそった情報発信を心がけています。
▲実際のメルマガ配信の内容
イーバリューからの情報発信に対して、実際に購読者やサービス利用者の方々から多くの反響をいただいています。 また、2017年には一般社団法人産業環境管理協会の優秀論文表彰式にて、執筆した論文が月刊『環境管理』の優秀論文に選ばれ表彰されました。対象総数100数十点(2016年度掲載分)の中から2点の優秀論文が選考され、表彰されました。
クライアントからいただいたコメントを一部ご紹介します。
(※自社執筆書籍『コンサルが教える 廃棄物管理の実務とルール』出版時の推薦コメントから引用しています。)
適正な産廃処理には、難解な法律用語、判例等の理解が不可欠です。本書はこれらを分かりやすく解説しており、担当者のバイブルとして推奨します。
(大同特殊鋼株式会社 CRM部 主席部員 兼 リスクマネジメント室長 前野篤史 様)
廃棄物担当者の目線で記載されているので、非常にわかりやすいです。
(東京エレクトロンFE株式会社 東海FE部 インサイドGr. 野崎 拓也 様)
内容にストーリー性があり、読み易さを感じました。Q&Aでは実務で判断に迷うことが詳しく解説され、改めて排出事業者の責任の重さを受け止めました。
(日新製鋼株式会社 衣浦製造所 環境安全チーム 主任部員 守島龍也 様)
Q&Aの内容は、弊社にも同じような案件があり参考になります。電子マニフェストの運用については特にです。また、法律と現状が解りやすく解説されていると思いました。産廃担当としてもっと早く、この書籍を手にしていれば理解も早くできたかなと思う次第です。
(新日鉄住金化学株式会社 九州製造所 環境安全室 野口一斉 様)
情報やサービスが少ない環境業界で、分かりやすく、徹底的な現場目線で、クライアントに寄り添った情報発信を続けていることで、求められることに応えてきました。
業界のレベルを底上げして、新たなスタンダードをつくるという私たちのミッション達成に向けて、引き続き、業界の一歩先をいく情報発信を続けていきます。